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男同士の体験談

秘密の友達 

2012年12月11日 14:50|登録者:匿名

小学3年生の秋だった。
仲良し三人組で近くの珠算教室に、そろばんを習いに通うようになった。
放課後、50人くらいの中学生と小学生が同じクラスで読み上げ算と見取り算、暗算を習う。
通い始めて1ヶ月ほどすると様子が分かってきた。
席は決まっていないのだが、ほとんど同じ席に座る。
いつも、一番奥の隅の席で一人で黙々と算盤をはじく学生服の中学生がいた。
おとなしそうで、ほとんど誰とも話もしない。
その彼が、僕はなぜか気になった。
僕は、真ん中くらいの席だったので、時々、後ろを向いて彼の様子を見た。
その時だった。
彼と視線がはじめて合った。
彼は、にこっと笑って少しうなづいた。
僕は、ドキドキして、うなづきながら俯いてしまった。
生まれて初めてなほど、僕はドキドキした。
練習が終わって、僕たちは帰り支度を始めた。
すると、後ろの席にいた学生服の中学生のお兄ちゃんが、
僕のそばまで来て、にこやかに微笑みながら僕の顔を覗き込むと、
やさしく肩を、ポンと叩いて、「ガンバレよ」とでも言うように、
何も言わずに、立ち去った。
僕が、生まれて初めて他人を好きになった瞬間だった。
それからは、ほとんど算盤が手につかなくなった。
珠算教室に行っても、彼のことばかり気になった。
振り向いて、視線が合えば、いつもニコニコ微笑み返してくれた。
2週間ほどして、僕は決意して珠算教室の帰りに、この中学のお兄ちゃんを
追いかけた。
足早に交差点を曲がる後姿を確認したので、ダッシュした。
交差点まで来ると、電柱の影に学生服が見えた。
あっ、気づくと、電柱の影からお兄ちゃんが微笑んで現れた。
「何か用事?」
僕は、頭を振った。
「一緒に、帰ろうか。」
僕は、素直にうなづいた。
学生服のお兄ちゃんと、ランドセルの僕は、並んで歩き出した。
このお兄ちゃんが、僕の最初の男の恋人になった。
このお兄ちゃんから、男の生態について、色々教えてもらうことになる。

この続きは、気になりましたら、メールをください。
只野輔 米駄


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